板鼻 清らかな用水が流れる旧中山道の宿場町

群馬県
安中市
板鼻町

宿場町の裏手を流れる板鼻堰。

町家の庭には必ずといっていいほど用水の流れを引き込んだ池が作られている。

池では鯉を養殖している家が多い。

旅籠か料亭であったのだろうか。用水から引き込んだ池に面して欄干をめぐらした建物があった。
清らかな板鼻堰は宿場全体を通して流れている。木々の紅葉とあいまって美しい風景を堪能することができた。

板鼻宿には旅籠が多かった。その理由は近くに碓氷川の渡しがあったからだという。

店蔵の商家。

宿場の西端の町並み。

町家の裏手には蔵などの付属屋がある。旅籠が多かったためか、一般に庭が大きい。
高崎から一里三十丁の距離にある板鼻宿。上州と信州の国境である中山道最大の難所碓氷峠をひかえ、人々の往来が盛んな宿場であった。天保14年の記録では、人口1422人(男649,女773)、家数312軒、本陣1脇本陣2、旅籠54軒と旅籠が比較的多い町であった。これは、近くに碓氷川の渡し場があったためといわれており、しばし増水で川止めになった。
幕末、皇女和宮が将軍徳川家茂に降娘の際に泊まった本陣の書院が残されている。

宿場の裏手には町を通してきれいな用水「板鼻堰」がとうとうと流れている。碓氷川と九十九川の合流地点から取水し、高崎市西部へ流れる用水である。
用水の水面は縁の道に近く、沿って歩くのが楽しい。面白いのは、街道に面する町家の裏庭がすべてこの用水に接しており、殆どの家でこの用水の水を自然循環させた池を備えていることである。おそらく旅籠の客室から眺める庭だったのであろう。現在ではどの家も池で鯉を養殖しており、時折タイマー仕掛けの自動餌やりマシーンが動くのでビックリさせられる。

交通

JR信越本線安中駅下車バス


国道18号線岩井交差点より入る


参考資料 リンク
安中市


参考文献